
今日は、昨年の観劇のまとめをしたいと思います。
2025年に見た芝居は24コ。その中から特に印象深かったものを14コ、例年通り、見た順に挙げていきます(本当は8コくらいに絞りたいのですが難しく、悩んだ挙句がこうなりました)。カッコ内は特に光っていた役者さんです。
「肝っ玉おっ母とその子供たち」 ブレヒト作 西本由香演出 文学座アトリエ
※素晴らしい作品をやっと見ることができた。初めて見たので他と比較はできないが、演出は好感の持てるものだった。
マライア・マーティンの物語 フリントフ作 寺十吾演出 サンモールスタジオ
※On 7公演。日本初演。殺された女性の話なのに明るく楽しい!200年前の階級社会に生きるたくましい庶民の女性。元気な女性たちの劇団。皆さん熱演&好演。
母 チャペック作 パーツル演出 新国立劇場(小)
※チェコ・ブルノ国立劇場来日公演 本場の上演は迫力があった。めったに聴けないチェコ語が聴けたし、詳しいパンフレットも有難かった。日本語を交えてくれるサービスも。
コラボレーターズ ジョン・ホッジ作 伊藤大演出 吉祥寺シアター (横堀悦夫)
※劇団青年座公演。ツッコミどころは多いが非常に面白かった。役者陣が皆さんうまいっ!
受取人不明 テイラー作 大河内直子演出 赤坂REDTHEATER
※ダンロップ脚色の二人芝居。米国で親しくしていた友人二人の片方がドイツに移り住む。残った方はユダヤ人。時はナチス政権下。彼らは時代の波に襲われ、運命を狂わせてゆく。実によくできた戯曲。
※演劇集団円50周年企画。円の創立者、芥川比呂志の最後の日々を描く。弟たちとのエピソードがどれも面白い。比呂志は「夜叉が池」の上演に最後の力を振り絞るが、その演出は、蜷川幸雄を相当意識していたことがわかって可笑しい。当時を知る人にはいろいろ不満があったようだが、私は面白かった。
※ツッコミどころはあるが、非常に面白かった。みんなの関西弁が耳に心地良かった。楽しい作品。
埋められた子供 サム・シェパード作 桐山知也演出 (金尾哲夫、高橋慧、赤江隼平)
※劇団昴公演。タイトルの印象と違って意外に笑えるシーンが多く、奇妙な味わい。謎は最後まで残るが、戯曲として独特な魅力がある。
華岡青洲の妻 有吉佐和子作 鵜山仁演出 紀伊國屋サザンシアター
※文学座公演。古い紀州弁が味わい深い。久々に文学座の底力を見せてもらった。
狩場の悲劇 チェーホフ原作 脚色・演出:永井愛 紀伊國屋サザンシアター
(溝端淳平、原田樹里、亀田佳明)
※二兎社公演。実に面白かった。チェーホフは本当に多作な人。そしてそれを巧みに料理して見せた永井愛はやっぱり只者じゃない。
飛び立つ前に ゼレール作 ショラー演出 東京芸術劇場
※例によってゼレールは観客を翻弄する。何が事実で何が妄想なのか。霧の中を進むような体験。それにしても老母に化けた若村麻由美には驚かされた。
請願 クラーク作 堤泰之演出 下北沢・本多劇場
※加藤健一と増子倭文江の二人芝居。英国の上流階級の夫婦の会話が興味深い。
キオスク ゼーターラー作 石丸さち子演出 パルテノン多摩大ホール
※1937年オーストリアで、うぶな若者が奔放な女の子に振り回される。彼が、たまたま知り合ったフロイト博士に身の上相談にのってもらうのが可笑しい。
泣き虫なまいき石川啄木 井上ひさし作 鵜山仁演出 紀伊國屋サザンシアター (那須佐代子)
※こまつ座公演。啄木は十代から一家の大黒柱として働かねばならなかった。家族が重い。
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最優秀女優賞:若村麻由美(「飛び立つ前に」のマドレーヌ役)
最優秀男優賞:横堀悦夫(「コラボレーターズ」のスターリン役)
注:これは毎年私が独断と偏見で勝手に差し上げる賞で、副賞はありません(笑)。
やれやれ、これが終わらないとどうにも落ち着きません。
皆様、今後ともどうぞよろしくおつき合いください。